面倒なこと
2016年8月22日 Dr. tana 0 Comments
同業者(矯正医)どうしで話していて「よくそんな面倒なことやるね〜」と言われます。
それがセットアップです。
石膏模型の歯を一度バラバラにし、治療計画どおりに並べてみて、治療に無理がないかどうか確認する作業です。手間がかかるので、皆やりたくない作業No.1かと。
これを成人の治療ではすべての症例やってます。
これを見た患者さんは「うわぁ。綺麗にならんだー」と驚くのですが、綺麗に並べることが目的ではありません。
模型なのでどうにでも並びますから。
繰り返しますが、セットアップは頭で考えた治療計画を模型で再現して無理がないか再確認する作業です。
この方は、以前にも登場した方です。(リカバリー力)
左の模型を元に治療計画を立て、セットアップで確認します。矢印のとおり前歯をめいいっぱい下げ、奥歯も内側に引っ張らないとうまく咬まないことがわかります。そして実際に治療に反映させました。
そして、これがセットアップと実際の治療完了後の模型。 ぴったりです。
実際は、”この程度”と言っては失礼ですが、動かす量が少ない場合はセットアップしなくても予測は立ちますし、たいていその通りになります。
ベテランの先生ほど、「セットアップなんぞしなくてもわかる」とおっしゃります。
たしかにその通りなんですけど、ごくごくまれに頭の中の予測ではうまくいかないことがあります。そのごくごくまれに当たった患者さんは辛い。僕たちも辛い。それを防ぐ意味でもセットアップは重要なんです。
これをやっておくと 「ほらね。思った通りだ。」と心の余裕ができますし、患者さんにも説明しやすい。
患者さんも、僕たちも、安心して治療に望むために今日もせっせとセットアップを作っております。
ではでは。