宇賀矯正歯科スタッフblog

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リカバリー力

2016年6月30日 Dr. tana 0 Comments

こんにちは。医院長が不在なのでお留守番している田中です。

 

大学病院にいた頃、先輩に

「他人の失敗症例を治したら一人前だ」

と言われたことがあります。問題点を見つけて修正する能力を身につけると1人前ってことなんでしょう。

 

まれですが、「他院で治療しているけどうまくいかないから」と、当院で治療を再開される方がいます。

この方は、結構ひどい上顎前突(出っ歯)を抜歯して治療している途中で、急に前歯が歯髄壊死(神経が死んだ)し、その後の対応に不審をいだき当院に相談に来られました。

p3

CTを撮ると、左右の犬歯の歯根が骨から飛び出しそうです。すでにピリピリとした痛みがあるようです。

赤丸部分が抜髄(神経を取ってある)してある歯です。

 

それともう一つ。緑丸の部分はシザースバイトといって、下の歯とすれ違っています。これも早く治さないと面倒なことになります。

p7a

ということで、装置を総取り替えして治療再開です。どうせならと、ホワイトワイヤーで目立たないようにしました。

s-佐藤016犬歯歯根を骨の中に入れるようにしながら、前歯を下げていきます。またアンカースクリューも使用しました。

s-組写真7

治療前後
組写真6

とうぜんCTでも確認。ねらい通り、歯根露出を防ぐことが出来ました。

 

僕たちは失敗症例から学ぶことができます。でも患者さんにとっては不幸です(歯1本死んでるし)

自分が1人前かどうかわかりませんが、このような失敗を未然に防ぐことがなにより大切だと思います。

  • 治療の詳細

s-組写真

なお、写真の公開に関して患者様の了解を得ています。ありがとうございました。

#CT#アンカースクリュー#ホワイトワイヤー#歯根露出

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